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SAPについて個人的なメモをまとめたブログです

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Salesforceの売上がSAPを超えたとか

2021年を境にSalesforceの株価は陰りを見せて2022年~2023年は過去から考えると低迷していましたが、2023年後半から再び上昇して2024年に入り株価は最高値を更新しました。2021年にSalesforceの売上がSAPに迫っているという記事を書きましたが、

あれから3年、時間の経過は早いものです。もうパリオリンピックの年になってしまいました。つい最近、東京オリンピックがどうたらと話していたのに・・。

両者の売上比較はどうなったでしょうか?
SAP/Salesforce売上比較

2021年以降もSalesforceの売上は右肩上がりに増えていきました。一方でSAPは微増なので、両者の差は縮まりグラフでは超えたか微妙なラインですが、2023年度の第3四半期ではSalesforceがSAPの売上を超えています。
ちなみに、純利益ベースの比較ではSAPとSalesforceでは3倍以上の開きがあります。

SalesforceティッカーシンボルであるCRMが示す通りメインのソフトウェアは顧客管理システムです。そこからコミュニケーションツールのSlackやデータ分析のTableau(タブロー)を買収してビジネスソフトの領域を拡張しています。2020年度と2023年度の製品群別の売上内訳を見ていくと、2020年・2023年ともSales/Serviceの売上が高いことはわかりますが、それと同時にPlatform・Dataの領域が伸びていることがわかります。PlatformはSlackが売上に寄与し、DataはTabluau・Mulesoftが寄与しています

カテゴリ 2020 2023
Sales 4,598 6,831
Service 4,466 7,369
Platform 2,787 5,967
Market 2,506 4,516
Data 1,686 4,338
合計 16,043 29,021

※単位はミリオンドル
一方でSAPはERPと言って、社内の基幹業務を司るシステムとなります。販売管理、調達・在庫管理、生産管理、財務・管理管理などカバーする業務分野は広いです。調達管理のFieldglassや出張経費精算のコンカーを買収して、ユーザに利便性をもたらしつつ、データはSAPと連携して一元管理するなどERPの領域を拡張しています。
社内システムと言っても色々あり、一般的にはSalesforceがやっているビジネスのほうが分かりやすいですかね。売上・時価総額ではSalesforceがSAPを上回りましたが、Salesforceがビジネス拡張している領域はマイクロソフトとも一部競合しているので、今後も売上を伸ばしていけるかは難しいところですね。
例えば、データ分析の分野でタブローとマイクロソフトPower BI(Business Intelligence)を比較した場合、デザイン性や分析機能ではタブローが優位性を持っていてもPower BIは通常業務で使っているエクセルなどマイクロソフト製品との連携がいいため使いやすさはあります。
また、コミニュケーションツールのSlackもマイクロソフトのTEAMSと競合することになり、マイクロソフトの資金力を考えると、SlackがZOOMのように落ちぶれていく可能性だって十分あり得るわけです。
今後もSalesforceが売上を伸ばしていくにはさらにビジネスITの領域を拡張していく必要があります。ServiceNowなどのワークフロー領域やAnaplanなどの計画業務領域への進出も考えられますし、企業情報システムの本丸であるERPを取りに行くことだって不可能ではないはずです。
B to Cのウェブ系サービスほど進化は早くないですが、ビジネスソフトも着実に新しい動きがあり、変化を感じられることは仕事していても楽しいところです。