SAP SD販売価格マスタ
このページではSAP SD条件マスタについて説明していきます。販売管理システムでは商品やサービスの販売価格をマスタ化して作成しておきます。つまり、顧客から注文を受けると、受注伝票を登録するわけですが、その度に受注金額をシステムに入力していては手間がかかるため、マスタ設定しておくことで受注伝票には自動的に受注金額がセットされるというわけです。
そのため、万が一、この販売価格マスタの設定を誤って金額設定してしまうと、誤った金額で顧客に請求されてしまうため、販売価格マスタの設定は注意深く登録する必要があります。また、販売価格マスタの登録を忘れていた場合は、受注伝票登録時にエラーとなってしまいます。
ちなみに、SAPでは受注金額をあえてマニュアルで設定することも可能です。例えば、自動的に決定した価格についてビジネス上の理由で通常価格よりも値引いた金額で販売したい場合などです。
SAP条件マスタ
それでは次に、SAP SDではどのように販売価格マスタを登録していくかを見ていきたいと思います。
まず、少しややこしいのですが、厳密にはSAPには機能として販売価格マスタという名称のマスタはありません。販売価格や購買価格などSAPで登録される価格を条件マスタと呼んでいます。
条件マスタには、条件タイプごとにマスタデータを登録していきます。条件タイプとは、価格の要素であり、以下のようなものがあります。これらの金額が加算されて受注伝票明細に対して受注金額が決まるわけです。
・標準単価
・値引き
・消費税
それぞれの条件タイプ(価格要素)に対して、条件マスタレコードを登録していきます。
<条件マスタ登録画面>
標準価格の条件タイプを見ていくと、以下の項目が表示されます。
販売組織
流通チャネル
得意先コード
品目コード
→これらの項目は価格決定キーとなります。例えば、同じ品目コードでも得意先により価格をわずかに変えたい場合は、得意先ごとの価格を設定します。
金額 - 上記の4つの価格決定キーに対して、価格を入力します。
Unit - 価格の通貨コードを入力します。JPY/USD/EURなどです。
per - 何個あたりの金額かを設定します。通常は1を設定しておけばいいでしょう。
UoM - 上記perの数量単位を入力します。1個あたり100円なら、個(ST)となります。
有効開始日 - この価格が適用される開始日を入力します。
有効終了日 - この価格が適用終了される日付を入力します。
例えば、家電量販店にパソコンを販売する価格マスタを登録すると言った場合は、下記のようなイメージで登録します。
条件マスタ関連トランザクションコード
・VK11: 登録
・VK12: 変更
・VK13: 照会
◆SAP SDについてより学習したい場合は、以下の書籍で学習することができます(英語版)