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SAPについて個人的なメモをまとめたブログです

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SAPのアプリケーション運用保守とは?

SAPのアプリケーション運用保守とはどのような仕事をするかについて述べたいと思います。

■どういうチームなのか?
運用保守チームは本番稼働したシステムをメンテナンスするチームで、システム導入後に構築されるチームとなります。導入会社がそのまま運用保守チームになることもありますし、導入後、半年ほどで別会社へ引き継ぐこともあります。どちらの場合でも、導入時のメンバーがずっと運用保守チームに残ることは少なく、運用保守チーム作りは長い目で見ていく必要があります。

■チーム構成の分類
運用保守チームをさらに分類して、「販売」、「購買」、「財務会計」、「管理会計」、「生産」などのITチームに分割されています。SAPシステム全体でカバーする業務領域は非常に広いため、ITのチームも業務領域に従い、分かれていることがほとんどです。分ける基準はプロジェクトごとに異なります。例えば、販売と購買はまとめていることや、財務会計管理会計はまとめていることもあります。また、SAPのモジュールに従いSD(販売)やMM(購買)チームと命名している場合もあります。
SAPのチームと言っても、各チーム間で持っている知識は異なるため、領域をまたがるような課題は複数チームで対応することとなります。


■仕事の分類
仕事の大枠としては、SAPの運用保守でも、一般的な情報システムの運用保守の仕事と大きく変わるところはなく下記3つになります。

①ユーザ問合せ対応
システムを使い業務しているユーザからの問合せに対応します。運用保守チームがどこまで対応するかはプロジェクトの体制によります。一次受けはヘルプデスク・サービスデスクと呼ばれるチームが対応していて、マニュアルを読めばわかることなどは、運用保守チームが対応することは少ないと思います。マニュアルに記載がない複雑な問合せや、よりシステム的な内容は運用保守チームが対応することとなります。
ぱっと見て分からない場合は、アドオンプログラムの設計書を読んだり、SAP標準カスタマイズの設定を確認して解決策に辿り着けるようにします。
一例を上げると、販売店からの注文情報をSAPシステムで自動受信しているが、エラーが出ているため取り込まれていないので調査してほしいなどです。エラーが出ている箇所を特定してプログラムに問題があるのかデータに問題があるのかなど調べていきます。参画当初はユーザが使っている言葉が分からないこともありますが、運用保守の担当年数が経つほどユーザ業務にも詳しくなり、チームでも一目置かれる存在になります。

②不具合改修
新しくSAPシステムを導入する際、当然、システム不具合は解消した状態で本番稼働を向かえますが、業務に与える影響のない軽微なプログラムバグなどは稼働後対応として残っていることもあります。また、業務をしていく中で新たに発覚することや新規に開発した機能から不具合につながることも多く、不具合解消は運用保守チームのメインタスクと言っても過言ではないです。開発・導入フェーズと違い、すでに稼働しているシステムで不具合発覚した場合は業務への影響確認やすぐにバグ修正できない場合は業務観点での暫定策を講じる必要があります。
SAPプロジェクトでは、ユーザと調整したり設計書を作成するチームとプログラミング開発をするチームが別々なこともあり、その場合、プログラム修正は開発チームに依頼して修正するようになります。
また、プログラムバグはシビアに見られることも多く、クライアントからなぜ発生したかと再発防止策を強く要求されるケースが度々あります。

③新規要件対応
既存のシステムでは不足している機能があれば、新規に機能追加をすることがあります。新たな商流ができたり、新規事業ができると、既存システムでは対応できずに新規の機能開発を要求されます。要件定義、設計、開発、テスト、プログラムリリースという一連のシステム開発工程を実施することとなります。
また、開発規模が大きい場合は保守チームで対応しないで、別途、体制を組んで保守費用以外の追加コストを出して対応することもあります。

以上、簡単ですが運用保守チームの紹介でした。運用保守の仕事の醍醐味としては実際に業務で使用しているシステムを触れるというところでしょうか。業務影響が出てしまうと、、という緊張感もありますが、ユーザ業務が滞りなく行われたり新規機能で業務改善できたときはそれなりに嬉しい気持ちになります。