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【読書記録】斎藤幸平さんの『ゼロからの資本論』を読んで

日経テレ東大学に出演していたり文藝春秋動画で成田悠輔さんと対談していたりと、最近何かと目にする斎藤幸平さんの著書ですね。私は反グローバル主義の人間でもマルクス主義の人間でもないので、おそらく読んでも、、彼の主張には納得しないのだろうけど。。

では、なぜ手に取ってみたかといえば、たまには自分と考えが違う人の本を読んでみようと思ったのと、全国旅行支援?でもらったポイントが余っていたので旅先の書店でタダ同然で手にしてみました。まずは、、いろいろ反論させてくれ。。

・資本主義は欲望を増幅しているのか?
→そういう一面もあるでしょうが、本で書かれていたテスラのCEOであるイーロンマスクは世界一の大富豪で資産約2000億ドルで、世界トップ26人の総資産は約38億人の総資産額と同額ということです。でもイーロンマスクって、お金を増やしたいということからロケット作ったり自動運転車作ったりしているのでしょうか?もっと、社会をよくしたいとか、あるいは、ただただ単純に技術変革で社会を変えていくことを楽しみたいとか、そういった側面のほうが強いのかなと思っています。

・市場利益を優先するため公立図書館がなくなる?
→資本主義社会が必要なモノやサービスを削っている結果として、日本の公立図書館は窮地に追い込まれていて、非正規職員の図書館員の手取り額は9万8000円になっているとのことです。確かに図書館は本を無料で借りられる素晴らしい公共サービスではありますが、図書館が税金で成り立っていることを考えるとコスト削減するのは致し方ないところもあります。図書館員により、本の紹介、貸出などされていますが、そもそもネット時代でいくらでも書評が読めたり、図書館には自動貸し出し機も備えていることから、どこまで図書館員が必要かといえば、かなり疑問です。また、将来的には電子図書館化して書籍もスマホにダウンロードして読めるようになることが目指すべき姿ではないでしょうか。

・労働が苦痛になる根本理由
→この本では、労働が苦痛になる理由として、分業化された生産工程では労働者は作業をこなすだけで単純作業を毎日繰り返しやることになり、かつての職人のように豊かな経験を積むことができないと書かれています。会社という組織でビジネスをやる以上、分業制になるのは効率を考えると当然ですし、トヨタのような優良企業であっても一人で自動車を作るなんてことは不可能で、これって資本主義社会が悪いわけではなく、単純に職業選択の問題かと思います。工場で生産するようなものはラインで単純作業になりがちですが、ソフトウェアの開発だとどうでしょうか。プログラムのコーディングは単純作業とは言えず、以前の職人のようなやりがいを感じることもできるはずです。また、あまり労働に希望を抱かないということも一つかなと思います。労働を人生の小さな一部と考え、それ以外の時間で充実した時間を過ごせば、それでいいのではないでしょうか。

などなど、、、挙げればきりがないのですが、著者の考え方の根底にあるのが社会には様々な問題がある。そして、その問題の根底には資本主義社会があるという論調ですが、本当にそうなのかはかなり疑問で、個々の問題はそれぞれ種類が違っていて、解決策も資本主義社会を脱却すれば解決するというものではないです。この本のAmazonでの書評レビューが5点ばかりなのは、それだけ今の日本社会が閉塞的で不満を持っている人が多いのかなと思います。そして、その原因を何かに決めつけたいという、、
仮に日本が資本主義社会から脱却していったとしても、新興国ではまさに今から日本がこれまで経験したような経済成長を遂げていくのでしょうから、日本だけが脱成長なんかしていたら、世界から取り残されていくに違いないです。Abema Primeに出演していた、あおちゃんぺの言葉を借りるなら、「日本がザコキャラ認定される」ということに他なりません。斎藤さんの考え方をすべて否定しているわけではなく、例えば、職人的なモノづくりの楽しさを味わいたいなら、何もそれを仕事に求めなくても、セーターを編んでもいいし、家庭菜園して野菜を育ててもいいと思うんです。
そう、世界は成長を止めることはないですが、その成長にずっと付きあわなくてもいいわけです。

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