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SAPについて個人的なメモをまとめたブログです

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SAP SD業務プロセス 個別購買発注

 

キーワード
SAP SD、個別購買発注、明細カテゴリTAB、販売プロセス
個別購買発注とは?

個別購買発注とは、自社で製造していない製品を仕入先から仕入れ、顧客へ販売するプロセスのことです。ただし、単純に仕入先から仕入れて出荷するのではなく、このプロセスのスタートは顧客から注文を受け、その注文に基づいて仕入先へ発注依頼を行います。つまり、大量仕入れするようなものではなく、注文都度、発注するような製品となります。
また、これと似たようなプロセスとして仕入先直送がありますが、個別購買発注と仕入先直送の違いは、モノの動きにあります。仕入先直送では、モノは自社倉庫に入庫されることはありませんが、個別購買発注では自社倉庫に入庫され、そこから得意先へ出荷するというプロセスになります。

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SAPでの個別購買発注の流れ

◆個別購買発注として扱う品目
もし、ある品目が個別購買発注として定義できるような場合は、品目マスタの明細カテゴリグループ(販売組織2ビュー)をBANCにしておきます。そうすることで、受注伝票明細の明細カテゴリが自動的に個別購買明細(明細カテゴリ:TAB)となります。また、ユーザーの判断により、個別購買発注として扱うか、標準明細として扱うかを判断したい場合は、品目マスタの設定は標準の明細カテゴリグループにしておき、受注伝票登録時に明細カテゴリを適切に選択します。

◆購買依頼自動作成
受注伝票を保存すると、自動的に購買依頼伝票が作成されます。この購買依頼伝票を参照し、購買発注伝票を作成します。また、この購買依頼伝票は受注伝票から参照して作成されているため、購買依頼伝票上で数量や納入日付を変更することはできません。

◆受注在庫
購買発注伝票から入庫処理が行われると、在庫は特殊在庫である受注在庫として登録されます(特殊在庫区分'E')。この受注在庫は通常在庫とは管理が異なり、他の受注伝票のために出荷するということはできません。テーブル上の管理も受注在庫用のテーブルに管理されることとなります。

◆出荷伝票、請求伝票処理
出荷伝票、請求伝票の処理は通常のオペレーションと同様です。在庫品販売などの標準的なプロセスだと出荷時に在庫が足りなくてエラーとなることもあるかと思いますが、個別購買発注の出荷伝票では受注に紐付いた在庫を出荷するため、そのようなシステムエラーの可能性は限りなく低いです。

【個別購買発注ステップ】
1. 受注伝票作成(明細カテゴリ:TAB)T-Code:VA01
2. 受注伝票を保存し、購買依頼伝票番号を確認 T-Code:VA02
3. 購買依頼伝票を参照して購買発注伝票作成 T-Code:ME21N
4. 入庫を実行(特殊在庫区分'E'受注在庫) T-Code:MIGO
5. 請求書照合 T-Code:MIRO
6. 出荷伝票作成 T-Code:VL01N
7. 出庫確認 T-Code:VL02N
8. 得意先請求伝票作成 T-Code:VF01

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